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2024.4.8 FACEBOOK投稿記事
今回は診療報酬改定について。
いよいよ新年度が始まりました。事務所のある新橋界隈には新入社員らしき黒い集団が増え、連日彼方此方で入学式が行われており、昔々の自分の入学式を思い起こさせます。
今年は4月に診療報酬の改定があり、医療、介護、障害福祉サービスの三分野で同時に改正される6年ぶりのもの。今回は同時改正と言うことで制度間の調整もあって大規模な改正になっています。
途中に私見を挟んでありますが、勘違いもあるかもしれませんので、お気付きの方はどうぞ御教示ください。
今年度は、2014年に成立した「医療介護総合確保推進法」にて、2025年に団塊の世代が後期高齢者となることを見据えて10年計画で策定された「地域医療構想」の最終年度で、次なる時代に向けた取り組みの最終年という位置づけとなっています。
※ 地域医療構想とは、将来人口推計をもとに2025年に必要となる病床数を医療機能ごとに推計した上で、地域の医療関係者の協議を通じて病床の機能分化と連携を進め、効率的な医療提供体制を実現する取り組みです。
第8次医療計画による、地域における高齢者等の救急医療の整備
かかりつけ医機能、外来医療の機能分化、オンライン診療、それぞれの推進や、診療報酬配分。コストがかさむ入院を外来に移行させようとする、財務省の長年にわたる継続的な意図が感じられます。
医師の働き方改革
4月から医師に対する時間外労働の上限制限が設けられます。今でも医師確保に困窮している救急や産科などは医師のシフトや診療時間などの見直しを迫られるかもしれません。
医療DXの推進(DXはデジタル化などの意味)
電子処方箋の普及、介護保険、予防接種、母子保健、公費負担医療、地方単独の医療費助成等の情報をマイナンバーカードと紐付ける作業など、オンライン資格確認の範囲拡大がはかられます。
これは、保険証の違法な使い回し防止、医療や薬剤情報の共有化による事故防止等と共に、社会保障費削減を強く意識した物になっています。
マイナ保険証を活用することで医療機関は80円加算、患者負担は10円減、というのは些か矛盾とは思いますが、より一層マイナ保険証への誘導が強まりますね。
診療報酬と介護報酬の調整
医療、介護、障害サービスの連携について、各者の相互コミニュケーション向上を図ろうというものです。
介護の現場からのケアマネージャーや医師に対する報告だけでなく、双方向に発信できる仕組み作りを目指しています。
私事ですが、家族を自宅で介護した経験上、看護(看護師)と医療(医師)は連携が取れているものの、介護現場には医療上の注意点等が行き届いておらず家族は結構大変でした。
特に自宅での老老介護などが楽になればありがたいと思います。
医療従事者の賃上げ
従業員の賃上げに資するため、6月からは初診料等が30円(再診は20円)増額され、更に医療機関の裁量で賃上げの原資としてであれば初診料及び再診料を上乗せできるようになります。
診療科目に応じて加算可能な金額は違いますが、当事務所の試算では賃上げ分を初診料加算で賄えず医療機関の持ち出しとなる場合も多そうです。
医療機関の本体部分は0.88%プラス
薬価部分は減少、訪問関連は減少、賃上げ関連は増加となりました。ただし、前回の改定時は若干デフレ傾向でしたが現在はインフレ傾向となっていますので、医療機関にとっては実質減収になるのでは?と考えられます。
診療報酬改正は2年おきの国家的プロジェクトで今回はより大規模。日本の国の支出のうち最も大きいのが社会保障費で、そのうち大きいのが入院医療費。
これを医療から看護へ、医療から介護へ、入院から通院へ、などのシフトにより削減しようというのは昔からの国家予算編成の流れ。それに加えてデジタル化などを通じて三部門の共通コストをカット出来ないか?というのが今回の改正の一つの目玉でしょう。
税理士業務上計算し納付して頂いている各種税金、社会保険労務士により計算された社会保険料等、自身が事業主として納付ししたり、更に各人が天引きされているものなど、当事務所の各メンバーが公私にわたり関係する公租公課は膨大な金額になります。
これらがどのように使われるか?国民の一人として、きちんと監視しないといけませんね。
藤戸綜合事務所 代表 藤戸琢也
本文中では平易に書くことを目的としておりますので、各種特例等を考慮に入れていない場合がございます。また、法律条文を出来るだけ分かりやすくご説明するため、簡易な用語の使い方・表現の仕方をしております。個別の事案については税理士等にご相談ください。