R7年4月~8月FACEBOOK投稿より

医療法人とは 

「概算経費の特例」による所得計算

  社会保険診療収入(社会保険、国民健康保険による収入)を有する医療法人は、社会保険診療報酬による所得金額を、概算の経費金額を使用して計算できます。

 医療法人の場合には、実額経費で利益計算している例が圧倒的多数だとは思いますが、ドクター交代や診療科目変更など事業内容が変わった際などには検討する必要が有るでしょう。

<医療法人と概算経費による所得計算について>

 この概算経費による所得計算は医療法人には殆ど見られず、個人事業者である医師または歯科医師の事業所得計算で多く用いられている計算方式です。また概算経費による所得計算を選択している個人事業者は既に相当のメリットを享受している場合が多く、医療法人成りするケースは少数派だと思われます。

 私は過去に個人の事業所得申告において概算経費の制度を税理士が知らないで実額計算を行い続けたケースを何度か見たことがあり、酷いケースでは節税を逃した金額が累計で千万単位に登りました。また租税特別措置法上の条文番号が所得税と法人税に別れて別の場所に記載されていることもあり、法人にも本制度が適用可能であることを知っているケースは更に少ないと思われ、当初より有利計算の選択肢から漏れている「隠れ適用漏れ案件」も多いのでは無いかと思ったりしています。更正請求も出来ないため、税理士賠償請求事例にも登載されています(おぉ怖い!)。

<概算経費の解説>

・適用要件

 概算経費による所得計算は下記の条件を二つとも満たす場合にのみ適用可能です。

 なお、適用するためには前もって選択届出等を出す必要は無く、年間の事業所得計算時に実額との有利選択により適用可能なので、適用要件に合致するか、また有利不利判断の微妙な場合は実額計算でも申告可能なレベルでの会計処理が必須と言えるでしょう。

1.その年の社会保険診療報酬が5,000万円以下

2.自由診療を含めた収入総額が7,000万円以下

・概算経費の計算方法

概算経費は社会保険診療報酬の額によって以下のように計算されます。

2,500万円以下:社会保険診療報酬×72%

2,500万円超3,000万円以下:社会保険診療報酬×70%+50万円

3,000万円超4,000万円以下:社会保険診療報酬×62%+290万円

4,000万円超5,000万円以下:社会保険診療報酬×57%+490万円

 たとえば社会保険診療報酬が3,500万円だった場合、社会保険診療報酬3,000万円超4,000万円以下に該当するため、計算式は以下の通りです。

概算経費の額=3,500万円×62%+290万円=2,460万円

 こうして計算した概算経費が実額経費より多ければ概算経費による事業所得計算で申告する、と言うのが一般的です。

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